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若冲と江戸絵画展

このところ出歩くことが多かったので、ブログの記事が止まっていました。あちこち出かけた先の一つが、現在、上野の東京国立博物館で開催されている、「プライス・コレクション-若冲と江戸絵画展-」(公式サイト)です。

以前から伊藤若冲(いとうじゃくちゅう/1716-1800)の絵画に興味があったので、楽しみして出かけました。展示は、その期待を裏切らない充実したもので、非常に見応えがありました。若冲独特の精密な表現で顕わされた作品も素晴らしいのですが、墨の濃淡だけで表現された作品も、シンプルな筆致でいながら対象の動植物が生き生きとしていて、益々興味が湧きました。が、これらが全て、明治以降の日本では評価されずに海外に流出してしまったことが残念にも感じました。

先日、NHKで、この美術展が紹介されたこともあってか、館内は非常に混んでおり、順番を待って正面に立つか、誰かの肩越しに鑑賞するしかしかなく、大きな作品が多かったので、全体を眺めることができないのは非常に残念でした。また、車椅子のお年寄りがいらっしゃいましたが、思うように鑑賞できないだろうと気の毒になりました。

私は美術館を訪れるのが好きなので、海外でもよく美術館巡りをしますが、常設展と特別展の違いがあるとは言え、ゆったりとソファーに座って鑑賞することができる海外の美術館を羨ましく思います。全て借り物の展示なので、コストを回収する必要があるとは言え、もう少し、ゆったりと鑑賞できるような環境を作ってくれたらと、日本の美術館を訪れるとき、いつも感じます。1998年にベルギーを訪れた際に開催されていたマグリット生誕百年記念展では、チケットは完全前売り制で、一日に入場する人数が限られていましたが、こんな方法でも良いのではないかと思います。また、障害のある方に配慮した日を設けてもいいのではないでしょうか。以前、仕事でドイツに行ったとき、休日にオランダのある美術館を訪れたのですが、作品を観ているうちに、「何となく観たことがあるような...」という気がしてきました。それはゴッホの「夜のカフェ・テラス」(正式な日本語でのタイトルは分からないのですが、黄色い壁のカフェの絵)を観たときに、確信しました。その1年ほど前に横浜で観た「クレーラー・ミュラー・コレクション展」で観た絵だったのです。そして、その美術館はまさしくクレーラー・ミューラ・美術館でした。日本で観たときは、小さな絵ですら、前の人の肩越しに観るしかなくて、全く印象が違ったのです。

美術館と言えば、ロンドンのポートレートギャラリー(教科書などでよく見る歴代国王・女王の肖像画はここにあります)に行ったとき、驚いたことがありました。課外授業らしい小学生(日本で言う3年生くらいの児童1クラス)が先生に引率されて来て、確か、ヴィクトリア女王の肖像画の前だったと思いますが、足に踏んでいる地球儀が7つの海を支配した大英帝国の繁栄を表す...などといった説明を教師がした後に、美術館員が、画用紙を配り始めました。すると子供達は、思い思いの場所に寝ころんだり座ったりして、肖像画の模写を始めたのです。こんな授業を受けられる子供達がとっても羨ましいと思いました。

再び、若冲展の話に戻りますが、植物好きには、この時代に人々がどんな植物で季節感を感じていたのかを知るという楽しみもあります。梅や牡丹、秋の七草などといった日本画の定番の植物以外にも向日葵や野バラなども描かれており、そういった興味から鑑賞するのも面白いと思いました。

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コメント

さっそく遊びにきました。
若冲はとても好きな絵師の一人です。私は今回の里帰り展があるのをつい先日知り巡回展が来るのを心待ちにしていますが、東京が一番展示数が多いときき…(泣)これだけまとまった数の若冲はこの先二度と見れないですもん。たぶん。うらやましいです。図録が欲しい~っっ。
NHKの特集番組だって知ってたら見たのに。くすん。
日本の美術館は、ゆっくり観賞できる環境であることが少ないです。ゆっくりと腰をおろして美術品を思い思いに楽しめると最高ですよね~♪
と書きながら久しく美術館へ行ってない私です。今年は正倉院展に行きたい~大当たりの年だときき興味津々(笑)

投稿: ゆりりん | 2006年7月31日 (月) 17時22分

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