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鎌倉散策(No.2)

Kobana3浄智寺~明月院~海蔵寺

山ノ内・扇ガ谷地図

東慶寺を拝観した後、再び道路に出て、鎌倉駅方面に200メートル程進むと、右手に小さな苔むした石橋が架かった泉があります。ここが浄智寺(じょうちじ)で、小さいけれど開山以来高僧が来住したこの浄智寺は鎌倉五山の第四位に位置しています。

この泉の脇にある井戸は「甘露の井」と呼ばれ、鎌倉十井の一つに数えられています。鎌倉は驚くほど地下水の豊富なところで、十井どころか、あちこちに井戸があります。

1_1 今回は、泉の脇の萼紫陽花が迎えてくれましたが、秋にここを訪れると、黄色く色づいた銀杏の葉が辺り一面に降り積もり、風情があります。私はもう20回近く鎌倉を訪れているのは、元々、写真の練習がてら来始めたのですが、いつ来ても、どこかしら絵になる風景が見られるからです。ここもそんな場所の一つです。

 

2 石門をくぐって先に進むと正面にどこか中国風の可愛らしい山門が見えます。

この寺で是非見ていただきたいのは、曇華殿(どんげでん)と呼ばれる仏殿に鎮座する三世仏坐像(※1)で、着物の姿を長く垂らした優美な姿をしています。

※1 三世仏画像:過去・現在・未来を表す阿弥陀如来・釈迦如来・弥勒菩薩

また、この寺には鎌倉七福神の布袋尊がありますが、境内巡りの最後に出会う布袋さまは、思わず吹き出してしまうようなユーモラスなお姿です。

浄智寺の脇から伸びる道は葛原ガ岡(くずはらがおか)ハイキングコースに通じ、さらに源氏山(げんじやま)から鎌倉大仏へと通ずる裏大仏コースとなりますが、私は再び県道に戻り、明月院に向かいました。

明月院(めいげついん)は、実は普段はあまり寄らないのですが、せっかく紫陽花の時期に来たのだからと行ってみました。案の定、参拝客でごった返していて、早々に立ち去ったのですが、この時期には紫陽花だけでなく、後庭園の花菖蒲は必見の美しさです。また、背が高すぎて気づかない人も多いのですが、沙羅の樹(夏ツバキ/沙羅双樹〔さらそうじゅ〕の沙羅は別の木)もこの時期に咲いています。

Photo_42 明月院では、季節に関係なく、開山堂の前にある「やぐら」を見るべきものとしてお奨めします。

やぐらとは平らな土地の少ない鎌倉ならではのもので、岩の崖面に四角い横穴を掘り武士や僧侶のお骨を収め、供養塔や仏像などを安置した霊廟です。時代によっては牢屋などにも転用されたそうですが、羅漢堂と呼ばれる明月院のやぐらは鎌倉に現存するものでも最大級のものだそうです。

  

開山堂の正面には紫陽花を携えた可愛らしいお地蔵さんが迎えてくれました。

Photo_43明月院を出て、次に私のお気に入りの海蔵寺(かいぞうじ)に向かいました。

再び県道に出て鎌倉駅方面に進むと、流しそうめんの「かど」というお店が右手にあり、海蔵寺はその脇の道(亀ガ谷〔かめがやつ〕坂)を辿っていきます。北鎌倉の寺巡りで唯一残念なのは、車の往来が激しい通りを歩かなければならないことと、狭い歩道に列を作って歩く観光客の多さなのですが、海蔵寺へと向かう道は訪れる人も少ないので、ひととき喧噪から解放されます。

 

Photo_44

(鶯の声を聞きながら亀ガ谷坂を歩く/この辺りは閑静な住宅街です)

 

 

Photo_45 鎌倉独特のものに切り通し(きりどおし)があります。眼前に海、背後に山の迫った天然の要塞のようなこの地にあっては、生活のために山を切り開いていくつもの小道が造られました。ここ亀ガ谷でも切り通しを見ることができます。

鬱蒼とした亀ガ谷坂を抜けると住宅街になりますが、案内板が出ているので迷うことはないでしょう。JR横須賀線の下をくぐると海蔵寺はもうすぐです。

2_1 海蔵寺の入り口は、季節には萩のトンネルとなります。私が行ったときは、残念ながら、まだちらほらとしか咲いていませんでした。

私がこの寺を好むのは、庭の手入れが行き届き、植えっぱなしではない趣味のいい植物が四季折々に咲いていることです。この時は、鐘突き堂の足元に萼紫陽花と松葉菊がこぼれんばかりに咲いていました。他にも、紫陽花や桔梗、山百合、それにバーベナが山野草にとけ込んで咲いていました。もう少しすると、凌霄花(のうぜんかずら)が見事に咲くことでしょう。この寺は拝観料は不要ですが、鎌倉十井の一つ「十六ノ井」を見学する場合のみ、100円の見学料を払います。ですが、この見学料も、写真の右側に見える傘の下に自己申告で収めるようになっており、それがとてもよい印象を与えます。

3 もう一つ、本堂に沿って奥に進んだところから見ることができる庭園も、ここまで来た甲斐があると思わせてくれるものです。この写真を撮っている場所の背後にはやぐらがあり、傍らにホタルブクロが咲いていました。

 

 

 

Photo_47 (海蔵寺の庭に咲いていた八重ドクダミ。ドクダミすら、手入れをされている印象を受けました。)

 

 

 

 

Photo_46 山門の傍には「底脱ノ井(そこぬけのい)」と呼ばれる井戸があり、これも鎌倉十井の一つです。この時は周囲に咲いている萼紫陽花の萼が井戸に落ち、水を青く染めていました。

海蔵寺を出て、元来た道を戻ります。

  

 

Photo_48 海蔵寺から200m程戻った右手に「化粧坂(けわいざか)」に通じることを示す道標があります。

今回は、建長寺に行きたかったので、もう一度亀ガ谷坂へ戻りましたが、私のお薦めは、化粧坂切り通しを経て、銭洗い弁天佐助稲荷を参拝して鎌倉駅の裏側へと抜けるコースです。

化粧坂は、かつてその辺りに遊郭があったためとも聞きましたが、今はその名残は全くなくて静かな道です。最後に短いけれども急な山道を一気に登ると源氏山の銭洗い弁天はすぐそこです。この山道は、上に泉が湧いているせいか、水が滴っていて、よく沢ガニを目にします。

今回は立ち寄らなかったので画像はないのですが、銭洗い弁天は、ご本体の宇賀福神を祀った岩屋の中に湧き出る泉でお金を洗うとお金が増えると言われ、いつ行っても人で賑わっています。佐助稲荷は鬱蒼とした杉木立の中に朱色の鳥居が立ち並び、無数の古びた狐の石像が安置されて神秘的な雰囲気のする場所です。

源氏山付近地図

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